イマーシブ (Immersive)
イマーシブは人の能動的な状態を引き出すことであり、「体験そのもの」をデジタルで届けることが出来ます。
私たちのデザイン実践に関わる用語集です。立場の異なる人々と同じ言葉で考え、ともに動き出すために、ここにひらいています。
更新日:2026.10.20
イマーシブは人の能動的な状態を引き出すことであり、「体験そのもの」をデジタルで届けることが出来ます。
製品やサービスの機能・技術を改良するのではなく、人々がそれを使う「理由」、すなわち意味を新たに提案することで生まれるイノベーション。ユーザーの既存ニーズへの応答ではなく、内側(作り手のビジョン)から外へ向かう問いかけと、批判(クリティカル)を通じた意味の深化を重視する。
年齢や障害の有無、能力などの違いによって人々が排除されないよう、多様な利用者のニーズを設計に反映するデザインの考え方であり、ロジャー・コールマン(Roger Coleman)が1994年に国際人間工学会で概念を提示したことを契機に、デザイン分野で体系化された概念。高齢者や障害者を含む多様な人々が利用できる製品・環境の設計から始まり、現在では、心理的・身体的・状況的に定義されるさまざまな文脈における当事者の参加や意思決定、デザインが生み出す社会的排除や権力関係を問い直すアプローチへと議論が広がっている。
情報を整理・構造化し、人が理解し、目的の情報に到達できるようにするためのデザイン。組織化、ラベリング、ナビゲーション、検索の仕組みなどを通じて、複雑な情報環境に分かりやすさをもたらす。
「自己(auto)」と「制作(poiesis)」を合わせた造語。システムが自らの構成要素を自ら産出し続けることで、自己の境界と同一性を維持する仕組み。生命システムを、外部から入力を受けて出力する機械としてではなく、自律的に自己を作り続ける閉じたネットワークとして捉える。
「批評的デザイン」。商業的・技術的な前提や、製品がもたらす価値観を問い直すことを目的に、思索的なデザイン提案を用いて現状への批評を行うデザインの実践。肯定的デザイン(affirmative design)、すなわち現状を追認するデザインと対置される。
専門家が描いた未来を提示するのではなく、市民・政策担当者・事業者など多様なステークホルダーが共に未来のシナリオを思索・創作し、技術や社会のあり方を共同で決めていくための参加型の方法論。参加者自身が未来を見いだし、主体的に関わる意思を持つことを重視する。
デザインの専門家と、その成果に関わる人々が、課題の捉え方やアイデア、試作品をともにつくる取り組み。それぞれの経験や知識を持ち寄り、デザインに関われる方法や条件を整えることを重視する。
システム思考とデザインを結びつけ、複雑な課題に取り組む領域。人、組織、制度、環境の相互関係を捉え、課題の背景にある関係と、それらへの働きかけをあわせて考える。
見慣れた物事をいつもと違うものとして捉え直し、見慣れない新しいものをつくる働き。センスメイキングが状況を理解できるようにする働きなら、ストレンジメイキングは、既存の見方や表現の型から離れる「逸脱」の行為として捉えられる。
「起こるかもしれない未来」を具体的な人工物やシナリオとして形にし、人々に問いを投げかけることで、望ましい未来について考え議論するきっかけをつくるデザイン。「思弁的デザイン」とも訳される。問題解決(problem solving)ではなく問題提起(problem finding)を目的とする。
自分で書いたもの(文章・スケッチ・試作など)に対して、自分自身で新しい仮説をつくり出す思考のあり方。アブダクション(仮説形成)のきっかけを外部の観察や他者との議論に求めるのではなく、自ら書き出したものを、いわば自家発電的に自分自身への「ネタ」として提供し、そこから気づきと仮説を得る。
曖昧な出来事について、人々が手がかりを選び、言葉や行動を通じて、次の行動につながる理解をつくる過程。ビジネスの文脈でも、変化や不確実な状況を捉え、組織として判断し行動するための考え方として用いられる。
社会的ニーズを満たすと同時に、新たな社会関係や協働を生み出す新しいアイデア(製品・サービス・モデル)。社会にとって良いだけでなく、社会が行動する能力そのものを高める点に特徴がある。
「私たちは世界をデザインし、デザインされた世界が翻って私たちをデザインする」という、人と人工物(環境)との相互循環的な関係としてデザインを捉える視点。デザインを人が生み出す絶対的な成果物ではなく、人の存在や行為のあり方を形づくる関係の生成として理解する。
短期的・低コスト・小規模な試行(仮設の広場化、ポップアップ、駐車スペースの転用など)を通じて、長期的な都市の変化を引き起こそうとするまちづくりのアプローチ。「短期的アクションで長期的変化を(Short-term Action, Long-term Change)」を標語とする。
人工物を「考えるための道具(things to think with)」として用い、社会的・倫理的・文化的な論点について人々の内省や議論(ディスコース)を喚起することを主目的とするデザイン。クリティカルデザイン、スペキュラティブデザインなどを包括する上位概念として整理される。
既存の選択肢から合理的に選ぶ「意思決定の態度(decision attitude)」に対して、新しい選択肢そのものを生み出そうとする態度。不確実で正解のない状況を前向きに受け入れ、問いを立て直し、小さな実験を繰り返しながら形を与えていく志向を指す。両者を状況に応じて行き来することが、組織の変革に必要とされる。
持続可能な未来への社会システム全体の移行(トランジション)を、長期的なビジョンのもとで導くためのデザインの実践・研究領域。単発の解決策ではなく、個々の介入を長い移行過程の一歩として位置づける。
不確かさや矛盾に出会ったとき、性急に答えを求めず、わからなさにとどまりながら向き合う力。
組織や社会が向かうべき望ましい未来像を、関係者が共有できる形で描いたもの。デザインの文脈では、既存の延長線上の予測(forecast)ではなく、「どうありたいか」という意志を伴う未来像を具体的な姿として可視化し、現在の意思決定や行動を方向づける役割を担う。
Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字。将来予測や既存の最適解に依拠した計画・意思決定が機能しにくい環境を表す。
暮らし方や知識、自然との関係に複数のあり方が共存することを出発点に、デザインを考える立場。地域や共同体の自己決定を重視し、誰の価値観や発展像を基準に未来を形づくるのかを問い直す。
専門家によるデザイン(expert design)に対して、誰もが生まれながらに持ち、日々の生活や仕事のなかで発揮しているデザイン能力。現代は個人から企業・制度・地域まで、あらゆる主体が自らのあり方を絶えずデザインし直すことを迫られる時代であり、遍在的デザインと専門的デザインの相互作用によって社会変革が生まれると考える。
文芸批評家・思想家ミハイル・バフチンが、小説家ドストエフスキーの作品を論じるなかで展開した概念。元は多声音楽を指す語。複数の声や意識が独立性を保ち、一つの見方に吸収されずに関わり合うあり方。
問題の定式化そのものが定まらず、唯一の正解も、解の正否を判定する基準も存在しない問題。リッテルとウェーバーは、科学的に解ける「飼いならされた問題(tame problems)」と対比し、10の特性を挙げた(定式化できない/終了規則がない/解は正誤でなく良し悪し/解の検証が即時にも最終的にもできない/一回限りで試行錯誤が許されない、など)。
製品・システム・サービスの利用や、利用の予期によって生じる人の知覚と反応(ISO 9241-210)。使いやすさ(ユーザビリティ)にとどまらず、利用前・利用中・利用後を通じた感情、信念、身体的・心理的反応、達成感などを含む。
組織や社会などの複雑な仕組みにおいて、小さな変化が全体の働き方を大きく変えうる介入箇所。情報の流れ、ルール、目標、前提となる考え方などに目を向け、どこへ働きかけるかを考える手がかりとなる。
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